いじめを生む教室 荻上チキ その4
いじめ抑止において重要な要素として「共感性」と「適切な知識」の
2つが挙げられます。
共感性というのは、自分が相対している人が、自分と同じように
傷つくことのある人間であり、相手がどのように感じるかということに
思いをはせる力のことです。
子どもたちが自分が同じような目にあったら嫌だと思うことを
相手に味わわせるのはやめておこう、と考えられるようにしていくこと、
そうした共感性を獲得させることによって、
いじめを抑止することができると言われています。
逆に他者への攻撃をする際に、人は他者を自分とは別の存在であると切断し
悪魔化することがあります。こうした考え方は、いじめだけでなく
紛争や憎悪犯罪、人種差別などにおいても観察されるものです。
この反対が「共感性」だと言えるでしょう。
この共感性を育むうえでは「道徳」や「優しさ」というものだけでは不十分です。
「自分と異なる」とされている人たちに対する理解のためには
知識が必要だからです。そのような知識を具体的に得るために
各種の人権教育が求められます。
「違いを認め合いましょう」と呼びかけるのではなく、他者にはどんな
特性があるのか、それはなぜなのかを理解し、納得したうえで、
上手な付き合い方を周知していくことが重要なのです。
by ckdmhrbb
| 2020-06-30 10:59
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