個別のデータを見てみると、どんな教室でいじめが発生するのかを
調べた調査がいくつもあります。
例えば、鈴木智之「学校における暴力の循環と『いじめ』」などでは
体罰の多い教室はいじめが頻発することが指摘されています。
これにはいくつかの理由が挙げられると思います。
1つは、先生が体罰を振るうことによって、生徒に対して
暴力や制裁にゴーサインを出してしまう事。
教師による体罰は正義を口実にすれば、特定の生徒に対して
暴力を行うことも許されるのだと生徒に学習させてしまう
すなわち「懲らしめの連鎖」を生んでしまうのです
もう1つは、体罰自体が大きなストレッサーであることです
さらに言えば、体罰を行う教師は、体罰だけではなく
普段から厳しい指導をする傾向があります
例えば、怒号を発する、厳しいノルマを課す、過剰な「生徒指導」をする
などです。そうした教師のもとでは生徒は体罰のみならず、様々な
ストレスを受けていることになります。
~中略~
子どもにとって、「家」と「学校」というのは、居場所として
非常に大きなシェアを占める場所です。
学校に居場所がなくなると、社会的な接点がかなり制約されてしまいます
皆の前で辱めを受けたり、つるし上げられたりすることによって
「みんなから嗤われる存在になってしまった」という自尊心の低下を
招いてしまい、それが不登校、自殺につながってしまうわけです
理不尽な指導は、それを受ける本人の気持ちだけでなく、
まわりの生徒にも影響をもたらします