ひとは「いじめ」をやめられない (中野信子より) その4
・子どもの脳は発達段階で抑制が利きません。限度を知らないので、いくらいじめるなと
言っても行動を止めるのはほとんど不可能でしょう。
子どものいじめの特徴として加害者は自分たちの行為をそれほど深刻に捉えていないという
ことが挙げられます。
「きもい」「うざい」といった暴言も何を理由にそのような言葉を使っているのか、
本人たちにもわからないまま「何となく」使っているのです。
そしていじめが集団で行われるときのおぞましさは、いじめてる側に正当性があると思って
いることです。いじめる側の規範意識は高くなっており自分たちは意地悪をしているのではなく
みんなに迷惑をかけている人に制裁を与えているのだという意識を持っているのです
・いじめの対応策を考える上では、いじめは常にある、人の集まるところでは必ず起こりうる
という意識を持つことが大切です。
本書で述べてきたように、脳科学的には、人の脳にはいじめをするための機能が組み込まれている
可能性が非常に高いのです。
それは人間の歴史として人間がこれまで進化し、生き残ってくるために必要不可欠だったからです。
“いじめ”という行為は種を保存するための本能に組み込まれている。
そう捉えれば、この本能をどうコントロールするのかという方向に解決へのベクトルが向かって
いきます。